当クリニックで制作した安曇野市歯科医師会の市民講座の資料です
前常念岳から望む安曇野市
20年ほど前の朝日新聞の記事
口と歯の病気や噛み合わせが全身の健康と関係性があるのか?
厚生省(当時)が本格的に歯科と医科を関連付けることで新たに病気の治療法を研究すると発表。
「口腔と全身の健康についての研究事業」の運営協議会を設置した。
①噛み合わせと健康に関する動物実験
②咀嚼運動が脳神経に与える影響
③肩こりや疲労を訴える人の歯の状態
④噛み合わせの異常と四肢の病気との関係
⑤スポーツと歯の健康
など幅広いテーマで学際的に研究する
12年ほど前の朝日新聞に報告された実験の記事。
日本歯科大学の小林義典教授の実験。
被験者がガムを一定時間噛んで脳の活動状態を機能的MRIで調べた。
噛むことによって大脳や小脳の多くの部分が活発に働くことが判った。
高齢者13人に2分間ガムを噛んでから風景の間違い探しテスト行った
噛む前の平均点が73点だったのに対し、噛んだ後は80点に上がった。
噛み合わせのバランスが悪いと難聴やめまい、肩こりの原因になるという。
前述の記事の研究成果の一部と言える。
咀嚼と脳の働きの関係
咀嚼と脳の働きの関係を研究した朝日大学の船越正也教授は、
咀嚼すればするほど脳の働きに好影響を与えることを突き止めた。
「硬い食べ物を与えたネズミ(固形食群)」と、
「粉末の食べ物を与えたネズミ(粉末食群)」との2群に分けて実験をした。
使ったネズミは生後8週目で、人間の年に換算すると15歳前後に相当。
まず、一定の訓練期間を消化した後、12通りの迷路テストを行い、
その失点の合計を2群で比較した。
・ 固形食群」の平均エラー点数は136.6 一方、「粉末食群」は216.3
固形食群の方が粉末食群より、優れていることが判明した。
・ 硬い食べ物を良く噛んで育ったネズミの方が、学習を積み重ねていくことによって
エラー点数が少なく、明らかに優秀である。
・よく噛むと脳にどのような好影響を与えるかを、ネズミの大脳に
温度測定電極を入れ、 咀嚼中の脳温度変化を調べた。
その結果、粉末食群の咀嚼中の脳温度は0.2度しか上がらなかった。
これに対して固形食群の咀嚼中の脳温度は0.4度も上昇した。
よく咀嚼することで、脳細胞の代謝が活発になり、血液の循環がよくなっている。
噛むことの8大効用
1.良く噛むと満腹感が得られる
2.良く噛むと素材の本当の味が伝わる
3.唇や舌、顎の筋肉の働きや骨格が強化
4.刺激伝達で脳神経が刺激される
5.良く噛むことで唾液が多く分泌され自浄作用が高まる
6.唾液に発がん抑制物質がふくまれる。
7.脳に刺激を伝達して消化運動を促進する
8.踏ん張る時に噛みしめる 食べることが楽しみ
8大効用の語呂合わせ
前のスライドの8大効用を語呂合わせした
「ひみこの歯がいーぜ」
・人で幼稚園児を対象に調べた。噛むことと、
知能の発育がどの程度関係しているか
2グラムのピーナツを3回、計6グラムを咀嚼させる。
1回につき20回噛ませ知能テストを行い咀嚼力と
知能指数の関係をみた。
その結果、咀嚼力のある子供の方が知能指数は
比較的高いことがわかった。
歯を失う原因
歯を失う原因の1位は歯周病
次いでむし歯、破折(外傷もある)
その他の殆どは智歯(親知らず)
歯を失う原因は主にむし歯(う蝕)と歯周病
幼児期学童期はむし歯が多い
青年期以降は徐々に歯周病が増加する
若年者は歯周病で失う比率は少ない
40代後半から急激に増加して
50代後半では半数を超える
歯周組織の構造
歯が生えている土台の部分を歯周組織と呼ぶ
歯肉、歯根膜、セメント質、歯槽骨
歯肉溝は歯周ポケットとも言う
歯周病のはじまり、歯肉炎
むし歯の細菌とは違う種類
プラークが石灰化して歯石になる
歯肉縁上は灰白色
歯肉縁下は黒褐色
新陳代謝が盛んで白血球や免疫機能が元気に働くうちは
歯肉の縁で細菌の侵入を防御できる
歯周病の進行過程
歯肉炎で歯肉が腫れた状態は仮性ポケット
歯槽骨の破壊はない 若年者は多くがこれ
青年期以降は多くの場合、歯周炎に以降して骨破壊が始まる
進行度合いは目安なので
歯の長さによって若干深さの数値の差がある
歯周病の病態
(上)この歯肉炎はかなり初期の写真(と言うか正常に近い)
(中)歯茎が赤く腫れて、ブラッシングすると出血
(下)歯が動揺して噛めない、歯茎から膿が出る
レントゲン写真で歯根面にゴツゴツした歯石が見える
重症な歯周病で抜かれた歯
歯根部にビッシリと汚染された歯石や沈着物が付着している
右は歯列矯正のために便宜的に抜いた健康な歯
歯根の表面は綺麗な薄い歯根膜とセメント質が見られる
『局所的(口腔内)の原因』
細菌の塊(歯垢、歯石) 口呼吸は口内が乾燥して唾液の免疫性が低下
歯列不正や不正咬合(好ましくない歯並びや噛み合わせ)
食いしばりや歯ぎしりで歯周組織が傷む
歯ブラシの磨き方 磨き残し、力加減
食べカスが歯の間に挟まったまま放置すると歯の間が広がり汚れて細菌の巣窟となる
噛み合わせが正しくなかったり、歯茎との歯の間に隙間があったりするもの爪を噛む、唇をかむ、舌を出す、頬杖を突く、うつ伏せ寝などの不良習癖が歯列や咬合不正になる
『全身的な原因(誘因)』
循環器系の全身疾患 高血圧、肝臓病、糖尿病など 血管や血流のトラブル
特にホルモンのアンバランスは妊産期に多く、歯周組織の異常が発生しやすい
喫煙、過度な飲酒、偏食、疲労、ストレス
好ましくない生活習慣が歯周病の進行を助長する要因である
歯垢(プラーク)とは?
菌の種類は違うが数は同じ量の大便より数倍多い
体の中に存在するもので一番不潔な物体と言える
歯の表面に付着して、ある種の菌はむし歯の原因となり、
ポケット周囲に溜まったある種の菌は歯周病の原因となる。
歯石とは?
歯石になると歯ブラシで磨いても取り除くことは無理
頑固に固着して徐々に歯肉の中へ侵攻して行く
同時に細菌が作る毒素によって歯周組織の破壊が進む
歯肉より上に付着した歯石は灰白色
歯肉の中に付くものは茶褐色
色の違いは中に付くものと作用する菌の種類が違うことによる
歯を失う原因は歯周病とむし歯
日常の生活習慣によって病気の発症や進行度合いが異なる病気。
習慣を正しく変えることによって予防や治療が可能である。
歯周病も生活習慣病
日常生活の中で原因となるものを取り払うように注意すれば
予防効果が大きく期待できる病気
喫煙については後で話します
成人型糖尿病、肥満症、高脂血症、痛風、高血圧症
大腸がん(非遺伝性)
肺がん 気管支炎、肺気腫
アルコール性肝臓病
歯周病は万病のもと
歯周病に由来する細菌やその毒素が体中に行き渡る
血液や体液によって循環したり、唾液を気管に誤嚥して肺に感染する
本来口の中でのみ生存している細菌が体中に飛び火して
いろいろな病気を発症する引き金となっていることが分かってきた
歯原性菌血症
歯周病菌は、普通に口の中に存在している口腔常在菌。
口の中に住んでいるこの細菌が、量的あるいは質的に変化したり、
からだの抵抗力が低下したときに発病する。
歯周病菌は約300種類存在し、主となる数種類が歯や粘膜に付着して増殖する。
そして細菌からは歯を取り巻く歯周組織を破壊する毒素が産生され、
重症になれば、やがて歯を脱落させる。
歯の周りのクリーニング(歯石や歯垢の清掃)を行ってから
暫くして血液を採取して調べてみた結果
歯周病の原因菌が血液の中から培養された
施術前の採血では検出されなかった
歯周病があると咀嚼や歯磨きなどで菌血症になる恐れがある
(鶴見大学 武内博朗教授らの実験)
歯周ポケットで産生された歯周病菌や毒素と、
炎症伝達物質である炎症性サイトカインが血液に入って循環し体中に到達する
その先にある臓器の細胞の活動に多種の異常が生じさせる引き金となる
歯周病とからだの病気
歯周病菌が増殖して血液に入ってしまうとその毒素や炎症伝達物質が血管や臓器にさまざまな影響を及ぼす
動脈硬化から脳や心臓の血管を詰まらせる
菌が心臓の弁に感染して炎症を起こす
炎症伝達物質が糖尿病や早産、バージャー病
口腔がんの発生に関与
咀嚼運動が減ると脳の血流が減り、認知症に
噛まずに丸飲みしていると満腹感が得られず食べ過ぎて肥満
歯周病菌を含んだ食物を誤嚥して肺炎
骨粗しょう症 骨密度が低いと歯周病で歯槽骨が吸収しやすい
歯周病菌を退治する血液中の免疫細胞が産生する物質が骨破壊を促進
歯周病と心臓血管疾患
歯周病菌が心臓の心内膜や弁に感染して心内膜炎を起こすと心不全の原因
抜歯など口腔の外科処置でも起こる
歯周ポケットなどから持続的に歯周病菌が血液に侵入していると
血管内壁にマクロファージという免疫細胞が増える
細菌を取り込んで防衛活動したあとの死骸が血管壁にこびりついて
血栓となり動脈硬化が進行
血栓が大きくなり剥がされて血管を流れて行き細い血管で詰まり心筋梗塞や
狭心症を発生させる
歯周病と糖尿病
歯周病菌が血液中をに侵入すると
それを食べる免疫細胞マクロファージが現れる
TNF-αという物質が産生されてインシュリンの働きを悪くする
血糖値が高い状態が続くと糖尿病になる
毛細血管や神経線維の機能異常を引き起こして
網膜症や動脈硬化、腎障害など合併症の原因となる
歯周病は糖尿病の合併症
歯周病は糖尿病の合併症
高血糖により毛細血管の循環障害が起きる
免疫細胞由来の酵素の働きでコラーゲン線維の破壊が進む
歯周組織は破壊されやすくなり、歯周病が悪化しやすくなる。
つまり、歯周病と糖尿病は大きな相関関係があるといえる
歯周病と妊娠
妊娠するとつわりのため口腔内が不潔になりやすい
歯磨きも嘔吐反射が強くなるため不十分となる
妊娠前後のホルモンバランスやストレスにより歯肉炎になりやすくなる
妊娠性歯肉炎は女性ホルモンの増加により
歯肉の腫れが起きやすくなる
またこの歯肉炎の原因菌は女性ホルモンによって増殖する
歯周病と低体重児早産
歯周病菌の産生する毒素や菌の侵入により
免疫細胞であるマクロファージや肥満細胞が増える
マクロファージが出す伝達物質TNF-αは胎児の成長を阻害
肥満細胞が出すPGE2(プロスタグランジンE2)は
子宮筋の収縮を起こす作用がある
低体重児で早産の原因となる
歯周病と呼吸器疾患
高齢者や手術後の患者などは嚥下反射(呑みこみ)が弱くなる
気道の閉鎖が不完全なため、誤って唾液が気管に流れ込む
唾液中に口腔内の細菌やプラークが混ざっているため
肺に感染して肺炎を起こす
肺炎球菌がプラーク中に共存していることで起きやすい
歯周病に関係した細菌も関与して肺炎を悪化させる
肺炎が高齢者の死因で1番多い
喫煙の影響
喫煙者は歯周病にかかりやすく重症化しやすい
タバコは歯周組織の抵抗力と回復力を低下させる
喫煙は歯周病最大の危険因子
歯周病の進行度合いとタバコの喫煙本数の関係を調査した
非喫煙者を基準として喫煙本数が多くなるほど
歯周病の罹患率と進行度は増加する
一日20本以上だと非喫煙者のおよそ5倍の数値となる
ニコチンの及ぼす悪影響
たばこに含まれるニコチンは毛細血管の循環を悪くする
ビタミンCを破壊して上皮組織の老化を早める
タールはヤニと同じで表面に付着してプラークや歯石が付きやすくなる
発がん性物質を含む
喫煙と歯周病の相関関係
歯周病になりやすい前進の危険因子
8020割合の年次推移
8020運動とは、80歳で20本の歯を残そうという健康啓発運動。
たくあんや酢ダコなどは10本以上歯を失うと食べにくくなるというデータに基づくもの。
80歳でも20本あれば場合によっては入れ歯の世話にならなくても咀嚼できる。
2013年東京都港区みなと保健所は、80歳で20本以上の歯のある「8020」を達成した区民が全国で初めて50%を超えた
全国平均の38%を大きく上回っており、2022年度までに50%にする国の目標に対し10年早く目標を達成した。
認知症における残存歯数と義歯
左)認知機能の低下した高齢者ほど残存歯数が少ない
口腔ケアにも問題がありそう
(右)青 20本以上残っている人
緑 20本以下残存
黄 歯が殆どなく義歯を使用している
赤 歯が殆どなく義歯を使用していない
1200日経過して認知症の発生率に明らかな差が生じた
20本以上ある自分の歯で食べられる人が一番認知症になりにくい
次いで20本以下の自分の歯
歯が殆どない場合はさらに認知症が増え
義歯を使っている方が少なく
一番認知症になる率が高かったのが殆ど歯が無く義歯も使っていないグループだった
歯周病度チェック
青~黄~赤の順に危険度が増す
青は兆候あり
黄は歯周病にかかっている可能性が高い
赤は重症に近い状態
歯周病のセルフチェック
口臭が気になる
冷たい物がしみる
歯ぐきが赤く腫れぼったい
歯ブラシをすると出血する
歯周病のセルフチェック(危険度大)
歯茎が腫れる、出血したり膿が出る
歯が動いて食物を噛めない
噛むと痛い
口臭の原因は?
本人には分かりにくくても周囲からは嫌われる口臭
8割が口の中の病気に由来するもので
歯周病やむし歯が原因となる
臭いの強い食べ物やゲップなど胃腸からくるもの
鼻や喉、呼吸器系の胃腸系の病気
ストレスで唾液の分泌が減少したとき
歯周病の治療法
プラークを染めてみよう
歯垢(プラーク)を赤く染めだしてみる
錠剤と液体の染めだし剤がある
一見きれいなようでも磨きにくいところはプラークが付いている
歯の間や歯茎との境目、歯の裏側や奥歯の後ろ側などに磨き残しが多い
矢印の順
一見きれいなようでも染めだしてみるとプラークだらけ
歯ブラシで鏡を見ながら工夫して落としていく
子供にはこうして指導するが
大人にはあまり喜ばれないよう
ブラッシングの4つのコツ
5番目として歯ブラシはペングリップで持つ
歯磨きの方法
特に歯周病に効果的な磨き方
正しいブラッシング
フロスはむし歯予防に効果大
歯周病には歯間ブラシが効果的
ただし、サイズ選びが難しい
入らないところには無理に入れない事
スカスカでは清掃効果が低い
場合により何種類か太さが違うものが必要になってくる
歯の清掃用具
歯ブラシ
歯間ブラシ(太さが重要)
先を自分で曲げるタイプもある
フロスはむし歯の方が有効
ワンタフトもある
歯周ポケット検査
歯肉の縁から歯根膜が破壊されているところまで
目盛りのついた細い棒状の測定器具で深さを数か所測る
この図では歯石に当たってしまう
歯周プローブをポケットに入れたときに出血の有無を診査
ポケット内部の炎症の状態を判断する
動揺度 ピンセットを使用して4段階で診査
0度 : 生理的動揺(0.2mm以内)
1度 : 頬舌的にわずかに動揺(0.2~1mm)
2度 : 頬舌的に中等度、近遠心的にわずかに動揺(1~2mm)
3度 : 頬舌的、近遠心的のみならず、歯軸方向にも動揺(2mm以上)
3度を超えると通常保存は困難
エックス線写真の診査
顎の中の歯や骨の状態を審査する。
歯周病の検査では診断および治療計画のための
欠かせない重要な診査
パノラマレントゲンは全体を平面で見ることができる。
細かいパートは3~4本づつ写す鮮鋭度が高いデンタルレントゲン
正しいブラッシングでセルフケア
歯石が付いていない場合はブラッシングだけでも治るが
歯肉炎でも多くの場合は歯石が頑固に付着している。
歯石除去の前にブラッシングである程度炎症を抑えてから
並行してスケーリング(歯石除去)を行うことが多い
歯周病になってしまったら…?
スケーリング
硬くこびり付いた歯石を除去する治療
スケーラ-と言う歯石をこそげとる器具を使用
先端の形状は多種多様
おおまかに金属チップの超音波振動で機械的に除去する
細かいところや取り残しは金属の刃が付いた器具を用いて
人の手技でガリガリ削り取る
セルフケアとプロフェッショナルケアで
歯石や歯垢をきれいに除去することで大分治りました。
なんとか製薬の怪しい漢方の塗薬を一生懸命塗っても治らない
歯周病の外科手術
外科手術
感染予防のための包帯
粘土状の歯周パックで患部を被覆
年に1~2回は歯科検診が必要です
歯科検診
健康な人でも最低年1回は必要
歯周病やむし歯になりやすい人は年2回以上が理想
歯科検診はどこで受けたら良いでしょう?
残念ながら安曇野市で行っている成人歯科健診は対象者が限定される
自分の歯を保つための健康投資と考えて
メンテナンス(定期健診)が大切
治療の時間的経過と歯周病の危険度をイメージしたグラフ
下半分のピンク~赤い色の部分は歯周病が悪化してしているゾーン
上の白い色の方ほど健康な状態とする。
AさんとBさん、同じような病気の状態で受診。
治療が終わって同じように治ったとした場合
定期的に検診を受けていたAさんは
歯科医院のスタッフのサポートにより健康な状態を保つことができる。
一方定期検診を受けないBさんは徐々にケアが疎かになり、
後戻りして歯周病を再発してしまう。
自覚症状が出るまで放置されていると
知らぬ間に病状が悪化していることが多い。
そのための治療や処置には時間と費用がかかる。
失った物は取り戻せない。
これからは定期健診により、早期発見と早期治療が大事。
歯肉炎 15歳 女性
増殖性に歯茎が腫れあがっている。触るとかんたんに出血する状態
歯科医院での歯の清掃とブラッシングを中心としたホームケアを実施
2ヶ月後には殆ど腫れがひき、出血も見られなくなる
右上前歯が脱落して止む無く受診→ 仮歯を歯科用のボンドで接着した状態
臼歯は以前に数本が脱落
むし歯は殆どない
歯科の受診は初めて
6か月後、歯周病の治療に4ヶ月以上要する。
なんとか部分入れ歯でなくブリッジで対応
全部保険治療
治療後数年経過して来院されなくなったので心配はしている。
一昨年の信毎の記事
信大付属病院、長野市民病院、相沢病院で
癌などの手術を行った患者で
手術の前後で口腔管理(ケア)を行った結果
菌血症の患者の細菌数が有意に減少し
入院日数が3割程度短縮された
術後の感染など合併症の発生率は8割減少した
口腔管理で手術後の治癒が早くなることが確認された
歯科検診と医療費
トヨタ自動車の系列企業 デンソー健保組合が調査
平成7年から歯科健診を実施した事業所のグループ
Aは健診後の歯科受診は任意
Bは健診後の歯科受診を勧奨
Cは歯科健診自体を任意とした
平成21年にはそれぞれ医科歯科合計の医療費に差が出た
同じくデンソー健保組合の調査
歯周疾患のある被保険者のグループと
歯周疾患のないグループで医療費の比較をした
歯周病のないグループの全医療費が15%程度低かった
若年者は歯周病の罹患率が低いので単純に比較はできないが
70歳以上で20本以上の歯を保っている人の医療費の比較
右側のグラフ 80歳以上の8020達成者では医科の医療費が25%も低い
裏を返せば終末期の医療費がかからないピンピンコロリの率が高いと推測
健康で人間らしい普通の生活が出来ることが何より大事
長生きしても病気で寝たきりだったり認知症になってしまっては
幸せな人生を送れているとは言えない
平均寿命は(平成22年)
男性80.9歳 女性87.2歳 男女とも全国1位
全国平均
男性79.6歳 女性86.4歳
1と2で見ると健康寿命と平均寿命のギャップは
男性が約10歳、女性が約13歳
この数字を少なくすることが肝要で
理想のピンコロにより近づくことになる
歯科口腔保健の推進に関する法律 、2011年8月10日に公布・施行
歯科口腔保健の推進に関する施策を総合的に推進するため、歯科疾患の予防や口腔の保健に関する調査研究をはじめ、
国民が定期的に歯科検診を受けること等の勧奨や、障害者・介護を必要とする高齢者が定期的に歯科検診を受けること
または歯科医療を受けることができるようにする等の内容となっている。略称は歯科口腔保健法(しかこうくうほけんほう)
長野県歯科保健推進条例 2010年1 0月6日可決 平成22年1 0月21日公布 施行
すべての県民が生涯を通じて 必要な歯科に関する保健医療サービスを受けることができることにより、
健康で明るく暮らせる社会づくりに資することを目標とし、実効性ある施策 を具体化させるために、この条例を制定した。
安曇野市歯科医師会では歯科技工士会、歯科衛生士会と協力して
11月8日いい歯の日に因んだイベントを行っている。
当時の南安曇郡時代、1997年から始まった行事で
無料歯科健診とブラッシング指導 フッ化物塗布
石膏の手形作りや入れ歯のネーム入れサービスを行っている
200人以上の参加があり、毎年大盛況である
歯ブラシなどのプレゼントもあり、大人も歓迎するので来場をお待ちする。
これを機に歯科領域の病気が
全身の病気と関係があること理解し
皆さんが歯科健診を進んで受けることを希望する